~ シュリ・チンモイ 著書「瞑想-人間の完成と神の満足」より
集中の練習
1 「点」
集中の力を高めたいのなら、この練習をしてみるといい。まず冷たい水で顔と目をよく洗ってから、壁の目の高さに黒い点を描いてみる。
およそ25センチほど離れたところで点に向かって立ち、それに集中する。数分が経ってから、息を吸うときにその息が本当にその点から来ているのだと感じ、そして点もまた息を吸っていて、あなたから息をもらっているのだと感じて見なさい。
そこではあなたと黒い点と云う二人がいるのだと想像するのだ。あなたの息は点から来て、点の息はあなたから来ているのだと。
十分経ってから、強力な集中が出来ていれば、あなたの魂はあなたを離れ、壁の点に入っていったと感じることだろう。
こうなったら、あなたは自分の魂と会話をしていると感じて見ること。魂は神を悟るために魂の世界にあなたをいざなって行き、あなたは体現<マニフェステーション>のために、魂を肉体の世界へ連れてきているのだ。
このようにしてとても簡単に集中力を高めることが出来る。しかしこの方法は繰返し練習することが必要だ。
練習すれば簡単に出来ることはたくさんあるが、練習無くして結果は出ないものだ。
2 ハートと云う友
指先やろうそくや他の物体に集中することが出来るように、ハートに集中することも出来る。
目を閉じてもあるいは壁を見てもかまわない、その間ずっとハートをとても親しい友がいると思ってみなさい。
するとこの思いは強い勢いを持ち始める。そしてあなたのすべての注意がそこに注がれたとき、あなたは通常の思考を超えて、集中の域に入ったと云うことになる。
肉眼でスピリチュアル・ハートを見ることは出来ないが、注意の全てそこに向けることは出来る。
すると徐々に集中の力がハートの中に入っていき、マインドの領域から完全に外へとあなたを連れていってくれるのだ。
あなたにまだ純粋さが豊富になくて、数えきれないほどの世俗的な欲望をハートにかかえているのなら、その場合、ハートに集中する前に純粋さを呼び起こさなければならない。
純粋さとはハートの一番奥に、生きた聖シュラインなる社をもっている感覚のことだ。
内的なシュラインの神聖な存在が感じられれば、そのときあなたは浄化される。そして、ハートでの集中がとてもうまく出来るようになるだろう。
3 生の鼓動
自分の鼓動に集中するのが好きなシーカーもいる。この練習をする場合、心脈がとぎれて死ぬのではないかと云う恐怖心をもたないこと。
スピリチュアル・ライフで真の勇者になりたいのなら、鼓動に集中する練習を始めてもいい。これは終わりのない生に入ってゆくまたとない機会だ。
鼓動の音を一回聞くごとにすぐ、自分の無限な、不死の生を感じてみるといい。
4 内面の花
集中している間は、自分がこの花そのものだと感じること。
また同時にあなたのハートの一番奥でこの花が大きく育っているのを感じること。自分自身が花で、自分のハートの中で育っているのだよ。
そして徐々に、その花の花びら一枚に集中してみる。あなたが選んだこの花びらは、あなたの現実の存在の種子なのだ。
数分経ってから、また花全体に集中し、これが〈普遍の現実〉だと感じること。こうして、最初は花びら、つまり自分の現実の種子に集中し、次は〈普遍の現実〉である花全体に集中すると云うことを、代わる代わる行ってみるといい。
この練習中には、マインドに何の考えも入れてはいけない。マインドを完全に落ち着かせ、静かに、そして平静にすることが大切だ。
しばらくして、目を閉じ、今まで集中していた花を、あなたのハートの内側に見るようにしてみること。
ちょうど肉眼で見える花に集中したのと同じように、目を閉じたままで、ハートの中の花に集中してみなさい。
~ シュリ・チンモイ 著書「瞑想-人間の完成と神の満足」より